天気:晴れ(快晴)
首都圏はここ1週間ほど夏日が続き、蒸し暑さに包まれた。
本日は前線が南下した為、風向きが変わって爽やかな乾いた空気に満ちた。
日陰や展望塔上では、風が吹くとゾクッとするような肌寒さを覚えることもあったが(汗が乾かぬ内に風に吹かれるとちょっと寒い…)、総じて心地よい体感。
その反面、日照下では肌を露出した部分(顔や腕など)が、陽射しの強さ故に刺すような鋭い“チリチリ感”を覚えた。
太陽が高く昇る季節(暦の上では夏)になったことを実感した一日だった。
一日の概要:今回のコンセプトは「放課後の寄り道探検」――大人が決めた行程やスケジュールに従うわけではなく、またノルマに縛られるわけでもない。
子どもたちの発想やセンスに任せて自由気ままに過ごすスタイル。
人々の生活圏に寄り添いつつも未知の領域である裏山。いつもそこにあるのに何故だか底知れない不思議さと不気味さと魅力が感じられる、そんな場所。
4つのグループに分かれて、好奇心の赴くままに丘陵帯や河川敷、山中の広場などで遊んで過ごした。
ここ数日蒸し暑さが続いたせいか、今朝の体感は少しばかり肌寒さを覚えた。
日中は心地よい体感に変わりそうだ。
こんな日は自由に伸び伸び過ごすのが一番。
カチカチに固めたカリキュラムよりも、本能に従ってみたいものだ。
集合場所である池袋駅には40名を超える子どもたちが集った。
今日は年齢に応じた4つのグループに分かれて行動する。
初めて探検学校にやって来た子は少し緊張気味だろうか。
西武池袋線に乗って45分。「元加治駅」で下車。
埼玉県の入間市と飯能市にまたがる「加治丘陵」や「入間川」が間近に見える。
自然に抱かれてはいるが、都心に住む子どもたちにとっては何の違和感もない首都圏の住宅地域である。
非日常体験をモットーとする探検学校ではあるが、今日はどちらかと言うと日常と密接な空間での活動だ。
駅から5分ほど歩いた先、河川敷のグラウンドでオリエンテーション。
「実は……今日は何をするか全く決まっておりません!再集合は15時15分!それまで各班とも元気に勝手に遊んできてね!じゃ!!」という、ディレクターしじみの“丸投げ宣言”が炸裂し一同目が点に。
いきなり目の前にポカーーーンと自由な時間と空間が広がった。
子どもたち、どんな反応をするだろう。
現代社会ではマニュアルやカリキュラムを示してもらった方がかえって動きやすい事も多く、裏を返せば大人も子どもも“それ”に慣れ過ぎている。
急に解き放たれたら、、、「好きにしていいよ」って言われたら、、、どうする??
ゲーム機器や遊具があるわけでもない。たけのこが生えているわけでもないし、栗も落ちてない。
でも、、ホントに何もないか?と言われれば、、そんなことはないのだ。
子どもたちの中に眠る本能。楽しさを見つけ出すセンス。そして好奇心。それさえあれば充分。
今日は各班それぞれに充実した時間を過ごし、グループの仲間たちと楽しい時間を過ごせた。
時に個々の趣向に沿って個や少人数ごとに分かれて楽しむ場面もあった。
具体的にアレコレと解説するよりも、写真でその様子を窺ってみることにしよう。
そろそろお昼だ。どの班も裏山(加地丘陵帯)にいるようだが、、時折他の班の声が聞こえてきたり、姿が見え隠れしたりもするが、行動が重なることはほぼ無かった。
大人が変に使命感を発揮せずとも、取り立てて特別な環境でなくても、子どもは生き生きと動く。
生き生きと動けるように、大きな目で見守ってやればよいのだ。義務やノルマに縛られていないからこそ自然と表に出てくる子どもたちの素の表情。最高だ。
午後15時半。最終目的地と定めた河川敷の野原に全班が集った。
まだまだ陽は高く、空はどこまでも明るく青い。
まだまだ遊びたい盛りの探検隊だが…。休日はそろそろ終わりのようだ。
明るく賑やかな河原と対照的に、背後では裏山が静かに佇んでいる。
いつも当たり前のように“そこ”に存在しているのに、誰もその全容が分からない――そんな裏山の不思議さや面白さ。
昼間でも尚薄暗い鬱蒼とした木々が生い茂り、誰が何の為に作ったのか分からないような石仏やお地蔵様がひっそりと佇んでいる。
まるで神隠しの世界と繋がっているかのような…
道が縦横に走っているのに、距離感や方向感覚がいまいち掴めないのも実に不思議だ。
そんな空間に敢えて“迷い込んでみた”日曜日。
心のふるさと。ふとした場所に佇んでいる自然やお山にまた遊びに行ってみよう。
ディレクターしじみより